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お試し「ワーク・イン・レジデンス」レポート#01
六甲山上で働き、泊まれるシェアオフィス「ROKKONOMAD」の今春Openを控えて、数日間、ゲストに泊まっていただき、仕事も実際に行ってもらうプログラム「ワーク・イン・レジデンス」を試験的に始めてみました。
初めてのゲストは台湾出身の江(こう)さん。
六甲山は街に近い山なので街と山、両方楽しんでもらえるプランにしてみました。
江さんは台北市出身の28歳。2018年から日本に移り住み、現在東京の企業でお勤めされています。
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リモートで仕事を行うということを条件に、江さんが所属する会社の代表の方から2020年11月末〜12月頭にかけての4日間、このお試し滞在プログラムに参加していただくことを許可いただきました。
街と山が近い環境、その両方を楽しんでもらえるようプログラムを調整しました。
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プログラム内容
11/27(Fri.) 横浜→新幹線 JR新神戸駅着 街なかで宿泊
11/28(Sat.) 午前中に神戸のファーマーズマーケットを体験 午後からフリー
11/29(Sun.)地元の商店街を散策・昼食 → 六甲山のハイキングロードを登ってROKKONOMADへ → 夕方からコテージで軽く仕事 コテージ泊
11/30 (Mon.)六甲山上で一日フリーに過ごしてもらう コテージ泊
12/1 (Tue.) 滞在の感想をインタビューさせてもらう → 下山、街で土産を買った後、帰京
EAT LOCAL FARMERS MARKET
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到着2日目、三宮・東遊園地でほぼ毎週、土曜朝に開催されているEAT LOCAL FARMERS MARKETにお連れしました。
江さんは現在所属している会社で、ローカルの野菜を仕入れて販売する八百屋さんの事業を任されています。神戸のファーマーズマーケットの様子に興味津々。出店している農家たちと積極的に会話をしていました。「東京と比べて、消費者と農家の距離が近く、自然に会話できる雰囲気が当たり前にできていることに驚きました」
水道筋商店街
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3日目。地元で90年の歴史を持ち、500軒もの店があると言われる「水道筋商店街」を一緒に散策。地元の人から教えてもらった1950年創業の串カツ屋さんで舌鼓。
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オフィスまで歩いて登る
昼食後、バスに乗って六甲山の玄関口「六甲ケーブル下」駅へ。けれどもケーブルカーを使わず、乗り場のすぐ近くに入り口があるハイキングルートを歩いて山上へ向かう。江さんは、あらかじめ登山靴も持参してきていた。
道案内する僕ら以上に健脚、息ひとつ乱さず登っていく。途中、見晴らしの良い場所も楽しみながら進む。山上までのハイキングで掛かった時間は1時間10分。
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江さんによれば生まれ故郷の台北は盆地で、実家の近くに気軽に登れる低山があったので、子どもの頃から家族で山登りに出かけていたといいます。日本で会社に就職してからも仕事が大変になるときまって山に行ってリフレッシュするとのこと。横浜在住なので普段は丹沢山などに。ときどき足を伸ばして山梨方面まで登りに行くこともあるそうです。
ROKKONOMAD到着〜軽く仕事する
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山上まで到着すれば、そこからROKKONOMADまでは10分程度。そのまま2棟あるコテージのうちの1つへご案内する。ちょっと休憩、そしてメールチェックをして急ぎの用件だけ仕事をしていました。
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その後、オフィスの回りも散歩しながら案内したのですが、そのとき江さんから相談が。「この後、ちょっと地元台湾の友達たちとの同窓会に参加したいんですけど、いいですか?」。スマートフォンで台湾とオンラインビデオチャットをつないで、現地で行われている学生時代の同窓会に六甲山上からアクセス。電波さえつながっていればもはや山の上でも仕事に支障はない、そううたっている私たちですが、さすがに六甲山上から台湾で開催されている同窓会に参加することは想定していませんでした。もうそういう時代なのだ。逆に教えてもらった感じです。
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4日目は山上で一日フリーに過ごしてもらいました。あとで聞いたところ、午前中は六甲有馬ロープウェーで有馬温泉に出かけたそうです。本当はそのままゆっくり散策したり温泉にも浸かりたかったけれど、午後から会社とのオンライン会議が入っていたため、早めに切り上げてコテージに帰ってきました。「でも、短時間でも楽しみましたし、次回は最初から余裕をもって出かけて、ハイキングルートを歩いて有馬と行き来できたらいいなと思いました」。ちょっと行って帰ってくることもできるので、その時々に合わせて、楽しみ方を柔軟に使い分けられるという手応えを得たといいます。
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滞在最終日。今回のプログラムの感想を聞くためインタビューをさせてもらいました。快適でしたか? の問いに、昨日も今日も朝はぐっすり眠れました! の第一声。今朝は起きてすぐ近所を散歩して、それから身支度を始めたそうです。
「街も山もすごく楽しかったです。街で吸収したものも多かったし、山ではリフレッシュも本当にできました」
「街と山が近い都市は他にもあると思いますが、山でも仕事ができる環境があることが一番の違いと感じました。ふだん私が東京で働いているときには平日はとにかく仕事に明け暮れ、週末は一切仕事のことを考えないようにして山の方に行っていたんですけれども、ここではそれを完全に分けなくてもいい。少し自然の中を散歩してから仕事を始められるとか、生活と仕事をゆるやかに組み合わせることができる感覚」
「ここですべての仕事をするというのでなくても、たまに都市に行ったり、こちらに来たり、組み合わせられるところがいいと思いました」
「集中できるし、自分の心とか頭を整理することがしやすい。都市にいるとなかなかそういうことは難しい……」
「不満はないんですけれども、新鮮な野菜をここで食べられたり料理できたら最高だなと思いました」
インタビューの内容について詳しくは上の動画をご覧ください。
「とても楽しかったです!再訪したいです」と言ってもらったのが一番の収穫でした。
江さん、今回はご参加くだって、ありがとうございました。またぜひ山上で会いましょう!
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※「ワーク・イン・レジデンス」についての詳しい情報はこちらのページをご覧ください。
プログラム|ワーク・イン・レジデンス
(コラム執筆=安田洋平 動画撮影=則直建都・安田洋平 動画編集=円丁春陽 取材協力=SHIBAURA HOUSE)