不動産情報「六甲山 森のオフィス」
灘区六甲山町北六甲 4,480万円 190.51㎡(建物) 3,272㎡(敷地) 阪急バス『丁字ヶ辻』 1.7㎞
神戸は山も生活圏だ。明治の中頃、神戸に居留した外国人A.H.グルームが六甲山の上に山荘を建てたのが最初と言われる。グルーム氏は、その後も人々が楽しめる山の開発・保護に貢献し、“身近な六甲山”の礎を築いた。(今でも山開きの功績を讃えて、毎年夏になると、山上ではグルーム祭という催しが開かれている)
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六甲山頂、深い森の中。未舗装の路地を進むと、3,272.55平米の敷地と平屋の姿が。
“阪神間モダニズム”の影響が色濃く残る建物は、昭和3年に大阪の豪商により建てられ、その後神戸の老舗子供服メーカーが保養所として近年まで使用し、現在のオーナーへ。今回、お仕事の都合で泣く泣く売却することとなりました。
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和洋折衷の造りで、六甲山の風景に負けない無骨な自然素材と精緻なディテールの対比が個性的。
こんなに表情のある物件を見たのは久しぶりで、映像の世界に迷い込んだ気分に。経年劣化した姿でさえ絵になる建物です。 東向きにリビングとつながるテラスが個人的にはツボでした。粗削りの石をランダムに積んだ石段と石柱、曲がりくねった野太い古材の庇。そんなテラスから六甲山の谷間を望む風景は格別。
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間取りについて簡単に説明しておくと、建物の出っ張った南半分は”和”の造り。南向きにL型の広縁がある二間続きの和室、廊下を挟んでその西隣りに屋根から雨漏れした跡が残る凝った意匠の和室とトイレ、洗面。
北半分は“洋”の造り。東側のテラスに面してLDがあり、その背後にフリールームとベッドルーム。ドミトリー形式での寝泊まりを想定。廊下を挟んで反対側には倉庫や大人数用の浴室、西奥には炊事場が。クラシカルな建具やフローリングに魅せられます。
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さらに、別棟で管理人が寝泊まりできるコンパクトな建物があります。
大人数を想定した造りのため、水廻りの配置などは住宅のそれとは少々異なります。ただ、コンパクトな建物なので個人で使用するのも十分可能なサイズ感。その点は、六甲山の他の保養所物件などよりハードルが低いと言えます。住宅兼アトリエなどにピッタリ。
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建物に関する注意点は備考欄に記載していますが、内外装やインフラ設備の改修で業者に依頼する場合、数千万円を要すると考えておいた方が無難です。また、険しい道のりなのでワイルドに住みこなすタイプの方でないと難しい立地とも言えます。
尚、和室雨漏れの原因と思われる屋根板金は修理済み、母屋への給水引込み管は敷設済みです。
また、土地・建物の面積更正登記も実施済。
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ちなみに、住居以外への用途変更の方法や工事費等の各種助成金もありますので、「ここで何かやりたい!」という方は別途ご相談下さい(都度プログラムは変更となりますのでご注意を)。
六甲山頂でも唯一無二の存在感。再生し、引き継がれることを願っています。
この物件の詳細情報はこちら(神戸R不動産「山頂の異端児 -平屋-」)
*物件情報の紹介は、神戸市からの委託を受けて神戸R不動産が運営を行っています。